シンプルな暮らし。

Disc Union系列のDIWから発表されたヘルゲ・リエンの高音質な作品。スタンダード集という趣旨で発表されていますが、あまりスタンダード（標準的で有名）な曲は織り込まれておらず、ウェイン・ショーターやトニー・ウィリアムズなどをカバーしているいつもよりも少し大人しい作風です。 今までのヘルゲの作品はどれも暗さや静寂の中にある内面の激しさのようなものが感じられましたが、今回はそのトーンは少し落としていい意味で「軽めで内面熱めのヘルゲ」が聴けます。
特に1曲目のGrandfathers Waltzでは優しいタッチも聴けて個人的に大好き。朝起きて元気があるとついついこの曲をかけてしまいます。 レコーディングスタジオはECMで名を馳せたRainbow Studioでエンジニアはここのオーナーも兼任するJan Erik Kongshaug。この人は魔術師ではないかと思うくらいの職人です。レインボー・スタジオのピアノトリオの作品はどれも乾いたウッドベースと音離れの良いドラム、空気感のあるピアノといったように表現にジャズ独特の艶があるような気がします。これはジャズそのものも大好きでで高音質な音楽単体も好きな私にはかなりおいしい。